[]この著者好きだな(山口陽平「そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか」)
僕はこの著者好きですね。 会ったこと無いけど。
ただ、ちょっと先に苦言を。
タイトルがいけてないです。売れてナンボのビジネス本なのでしょうがないとは思いますが、「そろそろ会社辞めようかな〜〜〜」なんてタイトルをでっかく表紙に書いてくれたおかげで、喫茶店で読みづらくてしょうがない。
スーツ着てタリーズで読んでたんで、周りから見たら絶対脱サラを考えているサラリーマンと見えたことでしょう。
まあ、それはそれとして。
ノウハウ本のようなタイトルになってしまっている本ですが、行間から透けて見えてくるのは思いを持って起業して苦しんで今に至った著者の等身大の姿です。ただのベンチャー経営のノウハウ本ではありません。
その意味で「社長失格」に近いかな。(本書は倒産の話ではありませんが)
社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由 (板倉 雄一郎)
大学の時に「社長失格」を読んで、成功も失敗も開襟して話す板倉さんの姿に感銘を受けました。山口さんは板倉さんとはまったく違うタイプの経営者(かつ、会社を倒産させたわけではないので状況も違う)だと思いますが、行間から人間性が染みだしてくる本という意味ではちょっと似ています。
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本の内容。
前半は収益モデルを工夫して作りましょうということが説かれています。
著者の言葉で言えば
"何をやるか(What)よりもどうやるか(How)"をきちんと考えることが重要
ということになります。このHowの部分が収益化の話。
お金(¥)の取り方に集中してビジネスモデルの類型を語っています。
何(What)をやるかは個人のaspirationで決まってきます。だから、正直、ここは頭を使って決めることではない。心で決めることです。
しかし、戦略を作るには頭を使わないとならない。競争優位の話(この本では語られていない)もありますし、スタートアップにとってはここで語られている収益化の方法が非常に重要なんでしょう。
この視点はとても重要。
それから、これから起業をする人に向けたリアルな経験談が続きます。ロジカルな考え方で経験をまとめているので、大変わかりやすいし参考になります。
山口さんは、自分の経験をファクトとして捉え、そこから一体何が言えるのか(=示唆)をきちんと抽出して読者に示してくれています。(「潜伏時代〜独立時代〜起業時代」の話、等)
もしかしたら、著者にとってこの本を書くことが自身の考えの整理に繋がっているのかもしれません。
タイトルはいけていませんが(しつこいか。。)、良い本だと思います。
そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか (山口揚平)