[]【書評】ビームス戦略
7月28日(火)
本日は終日商品開発会議。8時30分から20時30分まで12時間。2日連続長時間となると、もう笑うしかない。
たまたま渋谷のブックファーストで平積みになっていたので買った本だが、大変面白かった。とはいえ、「ビームスがどうであるか/あったか」かに関しては、実はほとんど印象が残っていない。 線を引いたのは、ほとんどが短・中期の世の中のトレンドに関するものだ。いくつか、線を引いたセンテンスを書き抜いてみると、、
・「トップマネジメントが、近未来の“まち・みせ・ひと”のトレンド情報について、中長期的な潮流を理解していることがある。車の世界だけに閉じることなく、生活全体のトレンドを理解することから、新しい車の考え方がデザインされているのだ (日産の商品開発に関して)」
・「(ビームスの)コンセプトは「UCLAの学生の部屋」だった」
・「80年代の消費を振り返ると、圧倒的に女性主導だった点は特徴のひとつだ」
・「ビームスが強いのは、ショップの顔がひとつに限定されていないことだ。(中略)時代の流れによって、前面に出てくる顔が変わってくる」
・団塊の世代(1945-1951) : 大人に対する反抗感
・DC洗礼世代(1952-1958) : 安保後、人とは違うこと、キャンパスライフ
・ハナコ世代(1959-1964) : セレクトショップのマーケティング、記号消費、情報の取捨選択による差異化
・団塊Jr世代(1971-1976) : 消費に対して貪欲ではない・自分に対するこだわり・編集感覚
・「コーディネートではなくブレンド」
・「ブランド化せずに拡大する」
・「モノやコトの価値自体を見直す。手に入れることではなく使いこなすことに意味を見出す」
・「90年代後半は、もともと続けてきた編集=セレクトという手法が、時代の波に乗って、さらなる拡大につながった」
・「メジャーな動きの一方で、必ずマイナーな活動を仕掛けてくのが、ビームスの優れている点だ」
・「単なるものでなく、カルチャーを背景に持ったものにこそ関心を持つ。そんな層が確実に固まりになってきたのだ。例えばウラハラブームなどは、その一例といえるだろう」
・「市場は富士山型から八ヶ岳型へ」
特に、最後の八ヶ岳の話は、どこがリソースなのだろうか。とても優れた洞察だと思うのだが。
この本をベースにした議論は明日以降にまた行おう。
(やすし http://www.socionode.org/)