[]【書評】市場戦略論
引き続き書評をば。
フィリップコトラー「市場戦略論」。これも最近本屋に平積みになっている。ダイヤモンド社のこのシリーズは、実はまだポーターの「競争戦略論」が読みかけになっているのだが、京都のブックファーストで購入してしまった。
ま、コトラーだし。。。
といいつつ、実はコトラーの「マーケティングマネジメント」は持っていなかったりするのです。どーもね、この人はね。教科書っぽくてね。
さて、内容ですが、うーん、どうでしょう。最初の何章かは、一般によく聞く議論なので、あまり収穫はなかったですね。 ま、読書っていうのは自分のノー味噌との対話だから、別にいいんですけどね。
「SellingとMarketingは違う」というのは、レビーとコトラーの初期のころの主張だったか。耳が痛くなるほど聞いている話だけど、自分の会社を考えるに、まさにこの「販売とマーケティングのバランスが崩れている」良い例になっている気がするね。
しかし、どーしてこうも戦略が欠落するんだろうね。商品のライフサイクルが早すぎて、戦略を立てるスピードが追いつかないのかね。 そうならそうで、そのライフサイクルのスピードに適した戦略組織を作るべきなんだろうね。
さてさて、本の話。マーケティング思考、デ・マーケティング、メガ・マーケティングのあたりはコメントなし。 一般に言われていることをコトラーがなぞって述べただけ。
市場シェアのマネジメントもどうもね。
「我々は企業の目標は市場シェアの最大化ではなく、適正な市場シェアの獲得であるとかんがえる」
ふーん、ちょっと面白いかな、と思いつつ、ではその「適正な市場シェア」が何によって決まるのかを見ていくと、まず「コスト/ベネフィット」であると。
「コスト/ベネフィット」ねえ。それってあったりまえなんじゃないのー、と。まあ、そうは言っても金でシェアを買っちゃう例は枚挙にいとまがない、と。
この本、役に立ってくるのは第7章以降ですね。 マーケティングサイエンスの分野の最近のレビューを簡単にまとめてくれている7章と、ソーシャルマーケティングの8章が一番面白かったかな。あとは、あとがき。コトラーへの質問が意外に切れてますね。
マーケティングの時流の流れに関する質問を矢継ぎ早にコトラーに投げかけているところにインタビュアーのセンスを感じました。
yasushi http://www.socionode.org/