[]心脳マーケティング

質問: マーケティングマーケティングリサーチの違いはなんですか?


広島出張から帰ってきました。

広島は空港から市内までが遠いので、移動時間が結構かかるんですよね。 おかげで本が読めるんですけど。


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先日、健康診断帰りに発見した本の中の1冊。「心脳マーケティング」。本棚においてあるのを見つつ、、、名前やばすぎないか、これ。


と思ったら、著者がジェラルド・ザルトマンとあるではないか!

ハーバードビジネススクールの人で、メタファーをマーケティングリサーチに持ち込んだ貴重な人です。



はい、即買い。



というわけで、かなり期待して読み始めた(プライミング)のですが、、、、なんかあまり面白くないぞ、おい。

前半は、「顧客の購買行動は合理的にモデル化することは出来ない」「購買行動のうち、意識される部分の貢献度は10%くらいで、無意識の貢献度が80%以上ある」など、ザルトマン以前にかなり大勢の人がのべている問題提起と同じ。

ただ、マーケティングの現場で多用されるフォーカスグループインタビューなどではなく、無意識の心の働きを調査する為の、レスポンス・レイテシー調査やニューロ・イメージング調査にスポットライトを当てている点が新規性が高いですね。

ニューロ・イメージングの方は、ちょっとこれ、ほんとにマーケティングリサーチとしてやるのかな、という類の調査ではありますが。。 (MRIで脳内の血流の変化を測り、広告等のコンセプトに対する脳の反応状態を観測する、、のだそうです)


全体的に、話が従来の調査法に対する問題提言と、特に消費者の無意識部分を解明するためのいくつかの方法論を提供することに本の主題が置かれているようです。

マーケティング哲学というか、マーケティングフレームワークとしては、序章の「用語解説」に並んでいる用語の定義をきちんと理解すれば、それで良いような気がします。マーケティングの領域にニューロンの結合の知見を持ち込んでいる点は素晴らしく良いと思うのですが、一般人でも思いつく範囲の言及にとどまっているのが、本当に惜しいです。


阿久津さんの「コンテクスト・ブランディング」もそうなのですが、消費者のこころを意思決定「プロセス」ではなくて、ネットワークとして表現するフレームワークがいくつか提案されています。ザルトマンもその点は同じなのですが、もう一歩何かが足りないと感じました。



はて、何が足りないのか。


うーんうーん、と帰りの飛行機の中で考えていたら、突然思い出しました。



「心の社会」(マーヴィン・ミンスキー)


こころとは「エージェント」によって構成された社会だ、と述べたミンスキーを突然思い出したんですね。ニューロンシナプス結合の概念に、「命令構造」を想定した方が良い、というヒラメキだと思います。(今度説明します)


で、東京について、とりあえず本屋に行って買ってしまいました。(高いんだよなー、この手の本は。4300円かよ、、高っ!!)


まあ、そんなこんなで、まーた未読の本が増えてしまいました。ホント休暇が欲しいなー。


なべの答え: フレームワークとツールの違い