[]重力ピエロ

今日は昼過ぎから美容院へ。


美容院を変えたんですが、なんかすごいマーケティング実践所みたいなところで、おもろいんですよね。


ま、この話題はまたそのうち


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重力ピエロ伊坂幸太郎


この小説はかなり「飛び」ますね。


グラフィティアートと放火事件の関係から、DNAの配列を推理し、そこからアミノ酸を読み出そうとするくだりで、弟の春が


「どんな事柄にも意味があると思うのは、人間の悪い癖だよ。原因を探そうとするんだ。犬や猫は結果にしか興味がない」


バタイユまで出して一言言っています。


この弟の発言とはウラハラに、小説自体はテトリスのようです。「原因→結果」の無数の因果ブロックで作られているといっても過言ではありません。


とにかく、ブロックからブロックへ飛ぶ飛ぶ。


弟との会話から、過去の兄弟の記憶に飛び、伏線となる細かいストーリーに飛び、遺伝子に飛び、家族の絆に飛び、現代思想の小話に飛び、ミステリーに飛ぶ。


始まりから半ば過ぎまでは、細かいブロックが大量に拡散していくのですが、最終的には、すべてのブロックが、極めて単純な1つの因果関係に集約されていきます。


拡散して集約していくので、スピード感を持って昇華していく感覚があります。


面白かったです。