[]衆議院が解散しましたね。

衆議院が解散しましたね


いつものことですが、政局の混乱が始まると、各メディアの文章の大半は、「○○幹事長がなんとコメントした」とか、「午後○○時に、なんとかという会合が開かれ」とか、政局の展開を詳細に追い始めます。


逆に、何が焦点でその政局が始まったのかがわからなくなる。


郵政プロパーの話ではありませんが、「民営化の基準」に関して、今週のJMMでも村上龍から質問が出てますね。


僕にとってこの国の最大の問題は、日本で教育を受け、日本で生活し、日本語を話し、日本でキャリアを積むことが、もしかしたら最悪の選択肢なんじゃないか、という不安がいつも付きまとうことにあります。

そして、そういう不安を感じてしまう理由は、この国で行われる意思決定において、合理性がかける例が多すぎることにあります。いろいろな意思決定場面において、無駄なことがあっても、なんとなくむにゃむにゃとなし崩しにされてしまう。


今回の郵政にしてもそう。


石橋湛山は、日本が中国に21カ条の要求を突きつけたときに「功利主義者たれ」と書いたそうです。植民地経営は費用対効果がなっていないので手を出すべきではない、と。


金銭的にプラスになるのであればやったほうが良いし、ならないのだったらやめるべき。


そういう観点で郵政を見た場合、社会的コストは徹底して民営化した方が安く上がるんだろうと思います。 過疎地が問題なのであれば、そこは別に運営すれば良い。しかし、コストベネフィットの話はどこかの段階から吹っ飛んでしまい、利権と選挙に絡んだ内紛に、いつの間にか論点(?)が変わってしまっている。 メディアも無責任に、お家騒動の報道に終始してしまう。


冷静さが足りません。 村上龍が「この程度の紛糾は当然のことなのだというクールな視点がない」と指摘していましたが、その通りでしょう。



こういう意思決定がされるのが常識になっている国で生活していくことが自分にとってプラスになるのか。 郵政のアオリを受けて、他の法案も軒並み廃案になったそうですが、これも意思決定としては最悪ではないでしょうか。


この国で生活するのは、本当に自分のためになるのか、ますます不安になります。