[]フライド・グリーン・トマト

フライド・グリーン・トマト


これはすごい。ここのところ見た映画の中では間違いなくトップ3に入ります。


(あらすじ)
20〜50年代のアラバマ州フライド・グリーン・トマトを名物料理に賑わうカフェを切り盛りする2人の女性をめぐる出来事を、現代のジョージア州の老人ホームで、老女が中年女性に語って聞かせるという形で描く人間ドラマ。


ということなのですが、主題が少なく見積もっても5つはあります。「中年の結婚生活」、「女性の自立」、「女の友情」、「黒人差別」、「老人の社会的立場」 


ぱっと見て、すぐに主題の数が多岐に渡ることには気づくのですが、それがそのままで終わらないところがこの映画のすごいところです。映画の最初の方で、「昔この辺にも湖があったのだけれど、11月に鴨がおりてきて〜」という作り話を話すシーンがあります。 この作り話、最後の最後まで引っ張る重要な作り話なのですが、作品全体が「物語を語ることによって人の心が動く」というテーマに収束していくことに気がつきます。


南部の暑い雰囲気を出すことに成功している舞台設定も素晴らしいし、「人の良さ」を表現するセリフの作り方も素晴らしい。そして、なにしろ食いしん坊の中年女性を演じるキャシー・ベイツが非常に上手い。 チョコバーをバッグから出してパクつくところなんて、愛嬌があって笑っちゃいますね。


エンディングも、あーーーーそうかーーーーという発見。ドラマティックな展開はありませんが、オススメの1本です。