ピアニスト(2001)
あー、気持ち悪い。 これはきつかった。
エリカ(イザベル・ユペール)の肌が、美人顔なのに尋常でないくらいシミが多く、服装も地味だったので、おかしいなとは思っていたのですが、こういう話だったとは。。。
両親から過大すぎる期待を負わされて、精神的に曲がっていく音楽家(ピアニスト)という観点だと、「シャイン」と重なりますが、「シャイン」の方が最初から最後まで音楽の美しさに対する描写を止めなかったのに対し、「ピアニスト」のほうは、途中から音楽はどうでもよくなっていき、エレナとワルターの関係に中心が移っていきます。
この展開が非常に気持ち悪い。
前半のショパンやシューベルトの美しい演奏は、結局、最後の狂気を際立たせるための大道具でしかなかったのか、と思うと、正直やり切れません。「シャイン」はサントラを買いましたが、こっちは絶対サントラなんて買わない。伝えたかったことは良くわかりましたが、前半の美しい奏での気分を壊さないで欲しかった。
そういう印象の映画です。
2001年 カンヌ国際映画祭
□審査員特別賞グランプリ : ミヒャエル・ハネケ
□男優賞 : ブノワ・マジメル
□女優賞 : イザベル・ユペール