[]うなぎ(1997)

unagi

うーん、この映画は僕はちょっとわからないなー。 何か、僕のわからないことを描写しようとしている映画のように見えました。



敢えて言えば、性的な潔癖さを演じ続け、結局、性的なことに一度も自分自身は足を突っ込まずに刑務所に戻ってしまう山下(役所広司)と、性的なことを中心に話が展開していく脚本とのギャップの中に、何かがあるのかな、という予感を得ました。



山下は、妻の浮気を目撃し、それを許さず妻を刺殺します。 が、その後、淡々と自首に向かう自転車をこぐシーンからは、情欲のようなヌラヌラとしたものは感じられません。 出所後も、刑務所内の淡々とした行進の癖や、うなぎとだけ話をし、寡黙に生きようとする姿からは、なんら性的なものを感じません。



そんな山下とは無関係に、ストーリーは「浮気」、「痴情のもつれ」、「性欲」、「妊娠」、と性的な事柄を中心に展開していき、最終的に山下は女性と他人の子供を受け入れ、飼っていたうなぎを手放し、一時の刑務所生活に戻っていきます。



かといって、ここで何が言われているのか、と言われると、「うーん」と唸ってしまうのが実際です。





残念、よくわからん。









1997年 カンヌ国際映画祭



パルム・ドール : 今村昌平