[]商品サンプリングの費用対効果

問題0713:商品サンプリングの費用対効果ってどうやって測定するのでしょうか?





うちのオフィスは、都内のターミナル駅近くのビジネスパークみたいなところにあるのですが、他社も含めて恐らく数万人の会社員が毎朝駅からオフィスに通勤しています。



海外から外国人が出張に来ると、まずこの光景(スーツの人々が改札口から会社に大量に歩いている光景)に驚くらしく、ほぼ全員「オー、ジャパニーズ、クレイジー!」と言います。



ま、人が多いということは、それだけマーケットがあるということなので、ほぼ毎朝のように何らかの商品のサンプリングをしています。この数日でも、コカ・コーラ・ゼロ、フリスク、なんかのマンガ週刊誌、とサンプリングをしていました。





金曜日のMJの一面、このサンプリングの話で、丁度サントリー黒烏龍茶」のサンプリングを「品達」(品川の京急の高架下のラーメン屋街)で行っている写真が写っていました。 内容は、サンプリングする場所をピンポイントで選定して、サンプリングの費用対効果を高める、という話です。



しかし、このサンプリングという行為、どれくらいの費用対効果があるのでしょうか? 論調は「ピンポイントサンプリングをしたほうが、ランダムサンプリングをする時よりも費用対効果が高い」ということでしたが、それは本質的な議論ではありません。



プロモーションである以上、手法間の比較をしても意味が無いのであって、手法と結果との関係の検証を行う必要があります。



街頭サンプリングは、それがピンポイントであれ、ランダムであれ、配布後のユーザーの行動をトラッキングしにくいのが問題で、「100万本を街頭で無料配布する費用が2億円(!!)」もかかるにも関わらず、その効果は未知数です。



そんな効果の実証が取れていない手法をよく選択するな、と個人的には思います。



中には、非常に戦略的・実証的に、効果予測と評価をしながらサンプリングを実施しているマーケターも居るとは思いますが、大半のケースでは、なんとなく予想売上高の何%とかいうざっくりした予算の中で、なんとなくサンプリングでもするか〜、というノリで偉い人の承認が下りて、実行に移されている例が大半なんじゃないかと想像します。





回答:普通に考えれば、「実施した場合(地域)」と「実施しなかった場合(地域)」の比較をベースに行うのでしょう。が、そもそもサンプリングの方法をピンポイントなんて言ってないで、もっと戦略的で、もっと一石二鳥的な方法で練り直したほうが良いと思います。