[]優れたトップは細部まですべてを把握するべきか、それとも権限委譲するべきか

これ、たまに考えます。



たまたま読んでいた日経ビジネスユニクロ特集で、柳井さんが非常に細部まで把握して意思決定をするタイプの経営者だ、という話が出ていたので思い出しました。



今のフランス人の上司はまさにこのタイプで、すべての事柄に関わろうとします。正直、小さなチームとは言え、すべてを一人でやるには事項の数が多すぎるので、スケジューリングがめちゃめちゃになったり、責任範囲が不明確になったりして、弊害がおきているのですが、こういうアプローチの仕方がもしかしたら正解なのかもしれないな、とも思います。



ただし、トップがこういうアプローチ(すべてを把握しようとする)を取る時は、上→下の構造を前提とした組織の組み方は適さないと思います。なぜなら、上が下の仕事まで介入してくるので、下は仕事の責任範囲があいまいになり、どこまでを自分の責任でやらなければならないかわからなくなるからです。



トップがこういうアプローチを取るときは、上→下ではなくて、右←→左の組織体系を取ることが望ましいように思います。つまり、タイトル的に上下関係があったとしても、ほぼ対等な責任の重みを意識して、上司と同じようにすべての事柄を把握する、という形です。なぜなら、こうすることによって、結局全員が組織全体の全責任を負うことになるので、責任範囲は明確そのものになるし(全員、全責任)、全員が全員の仕事内容を把握しつつも、それぞれの強みに応じて自然と分業がなされていくからです。



結局、上手く行っている組織では、全員が「何か特別なことに参加している」という高揚感を持って仕事をしていることが多く、そうした一体感は個人個人が組織全体のオーナーであるという意識から生まれるように思います。



実際的には分業がなされなければ大きな仕事は回りませんが、意識としてはすべてを把握する。これが正解なのかな、と思います。