[]新卒は、礼儀作法を気にするべきでは無い





というと、僕の世代のアラサーの人からでさえ、「それは違う」と言われますが、ここで言っている礼儀作法というのは、「日本固有の」礼儀作法のことです。



宴会の時は着席してはいけない、とか、エレベーターでは入ってすぐのボタンのところに立たなければならない、とかね。



新卒の人たちと話をしていると、こういうことをとても気にしていて、自分はちゃんとした振る舞いが出来るんだろうか、ということをとても心配しているようです。気持ちはわかりますが、それってこれから数十年の仕事経験を積んでいく上で本質的に重要なことではありません。



なぜかというと、こういう礼儀作法は日本のローカルルールで、グローバルではなんの価値も持たないから。



これからの若い人は、とにかくグローバルで通用する礼儀作法というのは何なのか、ということを考えて、それを習得することに集中したほうが良いです。その結果として、日本においても、大半の礼儀作法はカバーされると思います。特に、中国やアジア圏の礼儀作法がわかれば、日本的なことはほぼすべてカバーされるのではないかと思います。



細かいところにいちいち目くじらを立てるオジサン・オバサンというのはどこの会社にも居ますが、こういう人に言いたいのは、本当に新人を育てる意思があって小言を言うのであれば、それが「グローバルに働く上で」役に立つのかどうかをちゃんと考えてほしいということ。



日本人、日本の企業の大問題は、日本の外に出たときのコミュニケーションが恐ろしく下手くそで、それが言語が出来る/出来ない、の話にとどまっていないということです。海外に出たときの礼儀がまったくなっていないし、それを習った覚えも無い。



これから予想されることは、「日本人不要論」が高まっていくことです。日本の会社であっても、日本人をマネージャーにするよりも、シンガポール人とか華僑とか、異なる文化の人の間でコミュニケーションを取ることに長けた人に仕事を任せたほうが良い、という話が確実に重みを増していきます。



そういう厳しい時代を生き抜くために全力で自分を鍛える以外に生き残る道は無くて、日本のローカルルールである礼儀作法に気を取られている暇はありません。