国内生産を守る、という社会的意義

hyoshi




日経ビジネスの今週号、特集はサムソンですが、僕の興味を引いたのはキヤノンの「セル生産」のほうでした。



サムソンの話は、「最強の秘密」とありますが、別に秘密の話はこれっぽっちも書いてなくて、どこが秘密なんだろうと思いました。社内のモーレツな競争環境と韓国社会でのサムソンで働くことの意義から来る韓国人社員の強烈なアウトプットが力の源なんだろうな、という話。



人間に不条理な無理を強いて実績を出している会社に見えてしょうがないので、この先も今のような実績を残せる類の会社には思えないんですよね。



ま、それはそれとして、キヤノンの話は生産を国内に残すためにどう努力しているのか、という話で、日本人にとってはこちらの方が重要でしょう。 色々考えて、やっぱり工場が外に出てしまうと日本の社会にとってはきついんだと思います。雇用という側面で。



過去10年は、工場で働く人の実質賃金を下げることで対応し、さらに生産を海外に委託することで企業としては生き残りを図ってきたわけですが、それをすると社会は幸せにはなりませんね。いかに国内に生産を残し、それでも海外で戦える価格競争力を保つか、ということを本気で考えている企業には頭が下がります。