[]滅び行く運命としても人生は前向き(映画「借り暮らしのアリエッティ」)
「少年と少女の物語。どちらか片方は異界の存在」というジブリが繰り返し描いているパターンの映画。ジブリってどうしてこのテーマをしつこくしつこく、繰り返し繰り返し描くんだろうと不思議ですが、この構造でないと伝えられない何かがあるんでしょうね。
映画自体はあっという間に映画は終わってしまうんですが、映画が扱っているテーマはおそらく下記のようなものだと思います。
・異質な集団の共存はありえるのか?
・援助は自立を助けるのか?
映画の中での答えは、どちらのテーマに対しても「No」に見えます。そして、それは直感的に正しいような気がする。
登場人物の男の子の翔が言うように「小人は滅び行く運命」なんだと思いますが、その運命を否定せず、それでも人生は前向きだという意識が、おそらく映画が伝えたかったことなんだと思います。ちょうど、ナウシカのコミック版の最終巻でナウシカが墓地の主に対して明言するせりふが頭に浮かびました。
そういう意味でやっぱりこれはジブリが繰り返し書こうとしているテーマなんだろうと思います。