[]ミスキャストでは?(舞台「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」)

写真21




ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチの舞台を観にお台場へ。



映画版がとても好きで、楽しみにしていたのですが、これは僕はミスキャストだと思う。理由は、



森山未来ワンマンショーになってしまっている

・「片割れ」を切望するヘドウィグの心の穴の部分が表現されていない

・バンドに味わいが足りない



確かに森山未来はできる俳優だと思います。歌って踊れて身体能力が高い。



だけど、ヘドウィグを演じるのに、彼の能力は必要なんだろうか?と僕は思います。森山未来が彼らしい躍動感のある演技をすればするほど、映画のテーマがかすんで行くように思うんです。



この映画の中心は、"Origin of love"の曲によく現されていて、「片割れ」を探す人の心にあるわけです。



そもそも、舞台ではこの曲の歌詞がよく聞こえず、無駄な演出が多い為、中心がよくわからない作りになっているように思います。これは非常にもったいない。



それから、バンドの場末感が違う方向に行ってしまっているように思います。映画の中で出てくるバンドも、相当いけてない感じですが、舞台のバンドは関西のヤンキーにしか見えませんでした。311後の福島という設定にしてあって、それはそれでかまわないと思いますが、ガスマスクなどの小道具は場末感とは別の印象を観ている方に与えてしまうので、無いほうが良いように思います。



まあ、そんなわけで、この森山未来版のヘドウィグは僕はいまひとつ好きになれませんね。