[]論理力は定期的に研がないと駄目(本「論理トレーニング101題」)

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これは非常に良い本。



ビジネスパーソンに向けた「ロジカルシンキング」の本は掃いて捨てるほどありますが、その手の本とは一線を画します。



この本が取り上げているテーマは、言葉の構造分析と論理構造の理解であって、明日から役立つ「賢い考え方のティップス」ではありません。そもそも「論理的である」ことの定義が違う。



さらに、この本は101問の練習問題を頭に汗を書きながらこなすドリルです。本屋に平積みになっている「1時間くらいでさらっと読める」ビジネス本ではありません。



僕も紙とペンを持って101問すべて解きましたが、解いてみて自分の論理力がいかに錆付いた刀になってしまっているかが良くわかりました。全問、うんうん唸って考えて解いてみて間違え、綺麗に整理された解答を読んで凹みまくりました。



論理力は、自分の頭で繰り返し繰り返し考えないと見につかないものですが、この本はその大変よい練習になります。忙しいビジネスパーソンが時間を見つけて101問解くのは大変だと思いますが、その価値はあります。



上っ面の情報を素早くスキミングしていくことばかりに注力すると言葉の感性が鈍り、丁寧な批判力が落ちていきます。そんななまった論理の刀をこういうトレーニングで定期的に研ぐのは非常に意味のあることだと思います。



すばらしい本です。お勧め。