[]列車に乗った男
部内は来期の売上目標値設定でてんやわんやでしたが、この仕事、僕のミッションではないので、さっさと帰ってきました。
こういうときは帰り方が難しい。
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「列車に乗った男」
「異なった二つのものが接触し、変化が起こる」という構造の話は良くあります。
この映画も、二人のまったく異なった人生が、接触し、まじわり、それぞれに変化(というか、お互いを一定程度取り込む)のですが、3日間の接触を経て、再びそれぞれに離れていった瞬間に、突如、映画のクライマックスがやってきます。
「30年間生徒に触りもせず教師をしてきた老人」
と
「銀行強盗のため、静かな街に流れ着いた中年」
が主要なコントラストなのかと思っていたのですが、本当のコントラストは、最初の100分と最後の5分なのかな、と思います。
お勧めはしませんが、悪くない映画です。
「バッハは我慢できる。シューマンは女々しいことの繰り返し。私はシューマン派だ」というようなことを老人が途中で言うのですが(違ったかも)、最後のシーンで流れる曲(私はこの人生を夢見ていた)は、まさにそんな感じで、唐突な感傷を静かに盛り上げています。
2002年のヴェネチア映画祭一般観客最優秀作品賞