[]恋愛小説家

年内の通訳クラス終了


前期に増して辛かった。自分の頭が燃えそうになる経験をするなんて、めったに無いことなので感謝感謝。

逐次通訳を行うことが多いので、ノートにメモを取るのですが、授業を受けていて「悔しい」と感じたことを赤字でメモっています。 見返すといろいろ書いてあるのですが、



6月18日 スピード!スピード!
7月某日 なぜ昔のマテリアルを覚えていないのか?
 →”ノリ”のレベルに落ちていない
 →毎日ノリをやる
 もっとスピード(同通なみのスピード)がないと仕事にならない



前期は訳出のスピードが遅くて悩みました。スピーチを聞きながら、区切りを入れたところでちょっと考えないと訳出が出ない。


10月某日 詰まりそうになっても我慢する
10月某日 どんな英語でも自信を持って訳せるように



後期になって、スピードと共に、訳出しながら「あー」とか「えー」とか、詰まってしまう自分に悩みました。 要するに、全文を考えながら部分訳を出してなかったんですね。



10月29日 単語に対する反応が遅い為、おいて行かれる時がある。いかに自己満足でShadowingしているか
11月某日 Listening&Readingに問題がある
11月某日 ”販売出来る”訳出を心がける



引き続きスピードとスムーズさで悩んでいます。ちなみに、この頃から授業で自分のサイトラ(サイト・トランスレーション)をテープに録音し、全員の前で聞かされる、というめちゃめちゃイジメなことが行われました。 テンポ良く、スムーズに訳出しないと、他の人よりも10分も20分も完了するのが遅くなってしまい、本当に恐怖でした。



11月某日 スピードと止まらないこと。動詞を決める
12月某日 動詞を取り損ねて意味が取れなくなる



そしてこれ。 これ、結構重要な気づきなんですよね。解釈する場合も訳出する場合も、動詞をとり損ねると、途端に意味が分からなくなる。当たり前のことなんですが、集中して動詞を探すようになりました。


今年の休みは、きちっと復習をして、英語のレベルをもうワンランク上げたいと思います。

これが終わったら、今度こそスペイン語か中国語だな。



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恋愛小説家


これは良い作品でしたね。 キャラクター設計が個人的にヒット。毒舌で隔世的で潔癖症。 つまり変人です。加えて、ユードル演じるジャック・ニコルソンの目つきの悪さ。


「たかのつめ(唐辛子)」でしょうか


世の中でこういうキャラクターの人は大切にしないと、と思わせる役作りでした。パスタを作るときに、決してトマトソースやオリーブオイルやバターやクリームのようにメインの味を作るものではないし、そもそも味は無いのだけれど、入っているときっとおいしい。

なんというか、ありえない素材が上手く調和しておいしい料理が出来るように、ありえない人間関係(いや、人間以外も居たな)が上手く調和して、すばらしいストーリーに組みあがっています。 

何しろ、変人の作家(ユードル)と、ゲイの画家(サイモン)と、その画家が飼っている犬(ヴァデール)と、シングルマザーのウェイトレス(キャロル)、といういかにもニューヨークらしいごちゃ混ぜでエッジの立ったキャラクターが、わけのわからない理由で不幸に襲われたり(サイモンの破産)、わけのわからない理由で息子の医療費を負担したり(ユードルの援助)、わけのわからないハッピーエンド(早朝のパン屋)を迎えたりします。

ストーリーは破綻気味ですが、その破綻加減がまた良い具合。


名作です。


1997年アカデミー賞
・主演男優賞 ジャック・ニコルソン
・主演女優賞 ヘレン・ハント