恋に落ちる確率(2003)

恋に落ちる確率

とても悔しいのですが、傑作だと思います。



今、AmazonでDVDをカートに入れてしまいました。3,900円。。「購入する」ボタンを押すかどうか激しく迷っているところです。 ほんとに買うかどうか、もうちょっと悩もうと思っているのですが、「いいな〜」と思った映画でもDVDを買おうと思う映画はそれほど多くないので、やっぱり自分には、とてもはまった映画だったということなんだと思います。







邦題は「恋に落ちる確率」ですが、原題の「Reconstruction」の方がしっくり来るのではないでしょうか。



コラージュのような作りになっていて、シーンとシーンは時系列に繋がっているようで繋がっていません。 その断片の繋ぎ合わせ方によって、複数通りの解釈が成立する、まさにReconstruction(再構築)を要求される映画です。



シーンを構成するセリフにも小物には、明確な役割が与えられて居ないにも関わらず、纏めて見ると、「運命的な愛に出会ってしまった心情」が美しく表現されています。逆に言うと、1つ1つのセリフは難解で理解に苦しみます。いずれにしても、スクリーンに頭がのめり込みそうになるくらい集中して観てしまいました。





なんていうんだろ、上手く表現できないんですけど。





かといって、観ている間、完全に内省的な思考活動を要求されるのかと言われると、そういうわけでもなくて、例えばアレックスの恋人シモーネと、アレックスが惹かれてしまう人妻のアイメの二役を演じたマリア・ボネヴィーは本当に素晴らしい。



二役を演じていると最後まで気づかなかったほどの、印象的で対照的な2人の女性を演じています。



特に、アイメは、「運命の人」を印象付けるのに充分な外見で、ものすごい美人として魅了されます。



それから、フィルムがまた「その人」に出会った緊張感と心境を伝えることに貢献しています。KodakとFujiの名前がエンドロールで出ていましたが、個人的な印象としては、Agfa Ultra 100でポートレートを撮った時の色の感覚に近いです。 やわらかい日差しのところだと、このフィルムはやや飽和したような、濃いんだけど淡い微妙な色彩を出すのですが、その感覚です。







こんな映画観たこと無いです。いや、悔しいけどこれはDVD買うな、やっぱり。







□2003年カンヌ国際映画祭



カメラ・ドール :クリストファー・ボー