ソニー、コニカミノルタから一部資産譲渡
これ、面白いですね〜。興味深いですね〜。どーなるんでしょうね〜。
今日の日経によると、ソニーはコニカ・ミノルタの「一部」資産を約200億円で買ったとのこと。さてさて、これはソニーにとって安い買い物なのか高い買い物なのか。。
現状では1,170億円の売上高で、営業利益が▲73億円ということで、ソニーの中に入ることによってこれがどのように変化するのかにかかっています。
利益が出なさそうなコニカミノルタのコンパクトは無くなるので、全体では売上高が30%くらいになるとして約350億円、今のところ、まだ利益率が高そうなハイエンドで、ぎりぎり二桁の利益率を出したとして35億円。6年で回収って言うのが素人勘案でしょうか。
ただし、ここは業界の動きが激烈なのと、レンズ等の付加価値の高い部分の技術は今後もコニカミノルタに残るようなので、どれくらいソニーが稼げるかは良くわかりませんね。
でも、買い物としては面白いものを買ったと思います。
ブランドの観点から、「ソニーはカールツァイスからレンズ技術の提供を受けています」というのと「ソニーはコニカミノルタから技術譲渡を受けました」というのとではメリットのレベルが違います。なぜなら、今回の譲渡は、「人」や「建物」など、極めて想像しやすい資産の異動が、ソニーが手にするイメージの背後に存在するからです。
つまり、ソニーは「カメラメーカーイメージ」のブランドのコンテクストを手に入れたことになります。
ブランドイメージ調査を行って、最終的に使われる形容詞、「かっこいい」「先進的」「伝統的」「信頼できる」など、単語としての形容詞の背後には、実は結果概要には現れない広大なコンテクストが広がっています。
キヤノン
↓↑
信頼できる
↑
EFレンズ、Digic、プロカメラマンの誰それ、雑誌露出、赤いCANONロゴ、御手洗、効率経営、過去最高利益、SED、経団連次期会長、新丸子、海外での評価、IXY、EOS、フォトスタジオ
などなど。優秀なブランド担当者は、闇雲にマーケティングミックスを作るのではなく、有力なブランドコンテクストとなる要素を、いかに顧客の頭の中で自社のブランド・プロダクトに繋げるかを考えます。
今回、ソニーが「譲渡を受けた」という事実は、カメラ技術の高さを形成するコンテクストとして最高です。年間30億のアドプロを7年間打ち続けるより、今回払った200億の方が価値が高いんじゃないか、と思うくらいブランド構築に対する貢献度合いは高いと思います。
あとはマーケターの腕の見せ所で、この素材をどうコンテクスト化するかにかかっています。
とても面白い。興味深く見守りましょう。