[]Sweet Sixteen (2002)
この映画、スコットランドらしいのですが、英語がまったくわからん。半端な訛り方じゃないね。
去年から、親と子供の関係のあり方を書いた映画をやたら観ている気がします。
・ひどく厳しい(親の理想(エゴ)の押し付け)
・愛が無い
のどちらかのパターンで、そのため子供が苦悩するやつが多いのですが、これはそれに加えて環境の悪さが加わっています。環境と言っても社会環境のことではなくて、自然環境のことです。
昔、大学の先輩が「サンタモニカでは哲学は生まれないんじゃないか?」と言っていました。 要するに、暖かくて快晴が続く自然環境だと、何も悩む必要が無くなりがちだ、という話です。
それはちょっと言いすぎだろうとは思いますが、あまりにも自然環境が悪いと、「なんで俺らはこんなに不幸なんだ?」という疑問が生まれ、そこに何らかの理由を求めて概念を構築しそうだな、という気もします。
昨日観た、「RIZE」は、自然環境というよりは社会環境が悪い低所得者層の住宅域で、力のはけ口をクラップダンスに求め、内に篭りがちな負のパワーを昇華させようとする若い世代のドキュメンタリーでした。
彼らは彼らで、精神的な綱渡りをしているのでしょうが、肉体のキレを極限まで要求されるクラップダンスを踊ることで、強力な「集中力」が生まれ、救われている感がありました。
スウィートシックスティーンの場合、家を買って母と2人で住む、という目的のため、手段はどうあれ、精一杯がんばるわけですが、そもそもの目的がガラガラと崩れてしまうため、やはり、最後は救われず、「携帯電話のバッテリーが切れた」ように集中力が切れ、エンドロールになって行きます。
淡々としているだけに、いわゆるドキュメンタリー映画よりドキュメンタリーのにおいを感じさせる作品だと思います。
カンヌの映画にありがちですが、例によって、観たあと悩みます。
2002年 カンヌ国際映画祭
□ 脚本賞 : ポール・ラヴァーティ