パリ〜ロンドン(戻り)

北駅

3月19日



お昼の中途半端なユーロスターを予約してしまったため、遅めの朝を食べて北駅へ。 駅構内のベンチで昨日の続きの本を読んでいたのですが、寒い!!



赤外線ストーブもあるのだけれど、立ってないといけないので、あまり快適じゃないし。 朝にコーヒーを沢山飲んだのでカフェに入る気にもならないし。



うーん、困った、、、と思って見上げると、ユーロスターの待合室が2階にあるではないですか。しかも、みんなコート脱いでくつろいでいる。なんだ、早く気づけばよかった、と思い、発車まで随分時間があったのだけれど、早めのチェックイン。



フランス入国とは大違いで、UKへの入国審査は相変わらず厳しいまま。





「UKへの入国の目的は?」

「ビジネスです」

「ビジネス、、の何ですか?」

「ビジネスの打ち合わせです」

「どういった類の打ち合わせですか?」





おいおい、なんで入国審査官に、仕事の内容を説明しないとならんのだ。目標売上金額まで、あと10%足りないから、その詳細な詰めをしにきました、、とか説明すればいいんだろうか。



前回のヒースローの時と同じ問答だったので、確実に東京に帰りますので、、、と説明して許してもらう。 



通れるかな、と思ったら





「なぜパリに滞在したのですか?」





と追撃。。





「パリにもフランスの販売会社がありますので」





と言って許してもらう。 今週は水曜日にバルセロナ、その次の週はベネルクスに行くのだけれど、毎回この問答するんですかね。 いつか通してもらえなくなりそう。





それにしても、4日もフランスに居ると、だんだんフランス語がわかる、、、、、、、、、ような気がしてきます。



一応3年も大学で勉強したフランス語、単位を取り終わった瞬間にすべてを忘れるという、人生史上最悪のムダをしたわけですが、頭のどっかには多少残ってるんでしょうな。 フランスの商売に関わることになったら、今度はちゃんと勉強をしよう。







しかし、今日はこっから先が辛い。(電車を待つ間暇なので、このブログを書いているわけです)





ロンドンまでユーロスターで行って、そこから滞在先の郊外の駅に電車で行くところまでは良いんだけど、そっから先の足がない。



あんな土田舎でタクシーが走っているわけは無く、車が置いてある会社まで歩いていくしかありません。30分くらいかなあ。。。荷物結構重いんだよなあ。。。 



誰だ、こんなとこに会社作ったの。日本で言えば、調布の外れに会社がある感じか?





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と、上までをパリで電車を待つ間に書いていたのですが、今無事にUKに戻ってきました。



ラッキーなことに土田舎の駅前に1台だけタクシーが止まっているのを発見し、そっこー捕まえて会社まで行き、自分の車で戻ってきました。



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私のギリシア神話







「私のギリシャ神話」(阿刀田高





渡英前に、「エクリチュールの零度」を読んでみたものの、何一つ理解できず、なんとなくオルフェウスのくだりのところだけが記憶に残ったので、この本をスーツケースに詰めて持ってきていました。



神話というのは、ギリシア神話に限らずとても面白くて、人と社会のある側面を極度に演出していて、その一つ一つのストーリーが、その神話を受け入れている社会のリアリティの感覚をあらわしています。



シシュポスの苦痛なんていうのは良い例じゃないですかね。永久に巨大な岩を山の頂に押し上げ続ける状況を、「永久に同じことを繰り替えす苦痛」と見るのではなくて「次の挑戦に立ち向かう希望」と見るリアリティのあり方っていうのもあるわけです。何がリアルな感覚なのかを考える上で、神話のフラグメントが頭の中に沢山入っているととても面白いと思います。



ギリシャ神話は、人間関係、、、、じゃなくて神間関係が複雑で、嫁・旦那・娘・息子、、の関係と時代がはちゃめちゃなので、統一のものとして理解することはとても難しいのですが、その中で代表的なものを知識として知るには、この本はとても手軽で助かります。