[]ランチェスター戦略の基本がわかる本 (1994)

ランチェスター

この手の本を読みました!というのはあまり声を大にして言いたいものではないのですが、まあ読んだので一応UPを。



販売系のマネージャーがたま〜にランチェスターの話を持ち出してくるのと、「シンプルマーケティング」の中でシストラットの森さんが、ちゃんと勉強しておいた方が良い、と言っていたのを思い出して、ブックオフで100円くらいで買った昔の本を引っ張り出して読んでみました。



いくつか、どうしてこの法則がマーケティングに適用できるのだろうか?と不審に思う部分もかなりあるのですが、本当にこういう法則通りに市場戦略が進むんであれば面白いんでしょうね、と思いました。



「占有率を上げることがすべての経営数値に好影響をもたらす」という立場に立っているので、セールスマネージャーが寝言でも言う「トップシェアを取る!」という発言に科学的な裏づけを与えるところから話は始まります。



ただし、ここから先は、大多数のセールスマネージャーの考えとは若干ずれていて、一定の戦略性を感じさせます。ランチェスターの法則自体は、第一法則:一騎打ちの法則、と第二法則:確率戦の法則、の二つしかないようですが、どちらの法則でも「数的優位を作る」ことの重要性が導き出されています。特に、第二法則の場合は、数的優位の差が乗数的に被害の大きさの差に結びつく、という結論が導き出されています。



クープマンの目標値などから、自分の立場を「強者」と「弱者」に分け、強者の場合は弱者の差別化戦略にミートしながら、第二法則の確率戦に持ち込むというのが基本戦略になり、弱者の場合は、数的優位を作れるセグメントを切り続け、「局地戦に持ち込む」、「強者の死角で一騎打ちに持ち込む」、「接近戦を試みる」というのが基本戦略になるとのこと。



「弱いものいじめの原則」なんかは、セールスマネージャーがけっして口にしない戦略の方向性ですね。



ヨーロッパの営業活動を見直す時とか、未開拓市場の担当になったときとか、結構使えるかもな、と思いました。