[]クラッシュ (2004)

クラッシュ

めちゃめちゃ評価の高い作品ですが、個人的にはそれほどでも、というのが正直な感想でしょうか。



現代のアメリカのひとつの縮図なんでしょうね。一見なんの問題もなさそうな生活をしているのに、実は内面的に大きなストレスを抱えた人たちのストーリーが重層的に重なって出来ている作品でした。



それだけに、アメリカ人ではない自分にとっては、客観的にアメリカというものを観察する作品にはなりましたが、共感して感動する、という類の映画ではないということなのでしょう。



そういう意味で、前々からアメリカに対して抱いてきた不思議な感覚を再確認させられる映画ということなのでしょうかね。アメリカの社会的下層に居る人たちと言っても、飢えて死ぬわけでもあるまいに。どうしてそんなに不幸なんだろう、という例の疑問です。



天使のケープのストーリーなどは、非常に良くできていて深く心に響くものがありましたけどね。悲劇的なストーリー(イラン人のオヤジだって、同情されるべき存在だが、そんなオヤジがこれまたまったく罪の無い少女を撃ってしまうという悲劇!)は文化的な要素を超えた構造的な共感力があるんでしょう。