「ヒューマン2.0」 渡辺千賀 (2006)

ヒューマン

こんな働き方が日本に来る、、、かどうかはかなり微妙だと思いますが東京の日本企業で働く我々とは似ても似つかぬシリコンバレーのキャリアのセンセーショナルな話が満載です。



インターネットは誰にでも開かれている(はず)なので、地理的な要因による情報格差っていうのは基本的に無いのですが、そうは言っても住んでいる環境や付き合う人によって入ってくる情報も変わるし、興味を持って調べる内容も変わります。



基本的に、この国(日本のことね)は居心地が良すぎて、新しい情報に対する感性が鈍ります。大学院入学前に日本に帰ったときに、自分の感覚が鈍っていくことを日々実感したことがあって、それ以来海外赴任が基本の会社で働こうと決めたものでした。



そうは言っても、もうちょっと日本で働かなくてはならないのも事実なので、自分の仕事の仕方に最大限のメタ認知を働かせてやっていかなくてはなりません。



日本の大きな企業で働くもっとも大きな弊害は、自分の仕事の切り売りがしにくくなることだと思います。「あなたは何が出来る人なの?」と聞かれて「部長です」としか答えられないなんていう、笑えない話のことです。総合職と言われる働き方をしている人は大抵このリスクを抱えています。



自分の仕事はマーケティングという領域に固定されては居ますが、このマーケティングの定義が人によって異なるので、下手をすると「営業周りの何でも屋さん」とか「プロモーション担当の人」とか、言われかねません。



これはキャリアにとっては大変なリスクで、絶えず目に見える成果の蓄積を念頭に仕事を選んでいかないと、中長期的には大変なことになるわけです。



そういう意味では、会社に留まるにせよ、途中でスピンアウトするにせよ、キャリアの自己管理がとても大切になるわけですね。