リーダーシップ入門 (2005)

リーダーシップ入門

何しろ1日の半分くらいを会社での仕事に費やしているので、おのずと他人との会話は仕事の話になりがちです。仕事の内容とか会社や業界の将来の話も多いのですが、それと並んで多いのが組織に関する話。



マネージメント(特に上司)の話になると、会社勤めのサラリーマンは突然、新プラトン主義の学徒に変身をして、理想の上司像について語りだします。。。っていうか、単なる上司の悪口大会になるわけですが。。。



ま、上司の悪口は酒の席の酒の肴にしておいて、そもそもリーダーシップとはどうあるべきなのか、という持論を固めておくことは、日々の自分の仕事の仕方・人との関わり方を考える上でとても重要だと思います。そういう意味でこの本はとても良い本だと思います。良書です。



最初の100ページほどは、「リーダーシップ」という概念を考える上でのいくつかの視点が提供されます。残りの200ページは、実存する経営者の「持論」の紹介と、過去50年くらいの研究から導き出された「理論」が簡潔に(私にとっては必要十分に)まとめられています。



「持論」で紹介されるのは「ペプシコのエンリコ」、「GEのJ.ウェルチ」、「ヤマト運輸小倉昌男」などで、それぞれのリーダーシップの考え方が非常にコンパクトにまとめられています。



「理論」で紹介されるのは、PM理論から始まり多岐にわたりますが、「課題軸」と「人間軸」というロバストな二軸を中心に話を展開していくので大変理解しやすくなっています。



ちなみに、私の「リーダーシップとは?」という問いに対する持論は、



?何をするべきか的確な領域を設定し

?領域を仕事に切り分け

?それぞれの仕事に人的・物的リソースを投入し

?その進捗と結果を管理すること



を目的に、



?人的リソースを確保するための人脈確保を上手く行い

?メンバーの実力を100%以上引き出すコミュニケーションが行える



ことを指します。 先ほどのロバストな二軸で言えば、?〜?が課題軸で、?〜?が人間軸ということでしょうか。





いずれにしても、新書の良い性格(コンパクトだが内容がまとまっている)を最大限に発揮した良書ですので、一読をお勧めします。