[]協賛金<コンサルティングってほんとか?

問題0711:ビールメーカー各社が、顧客獲得の為に協賛金の積み増しを止めて繁盛店醸造などのコンサルティングに力を入れているそうです。これは、メーカーの「脱リベート、向アドバイザリー」志向の動きと考えるべきでしょうか?



先週の日経MJより。



新丸ビルのレストラン店舗46店のうち、37店舗がキリンを納入業者として選んだそうです。 背景には、店舗開発に対して「無料」の相談を引き受けたキリンの戦略がある、という内容でした。



また、サッポロビールの本社地下には「繁盛店への扉」という秘密の部屋があるらしく、そこでも個別店舗に対するアドバイザリー業務が行われているそうです。



いずれも、既存の営業手法(特に協賛金などのリベートばら撒き)では無い新しい流れ、という論調で話がまとめられていました。





さらりと読むと、「ふーん」なのですが、なんか変じゃないですか?



まずは、「それって本当に最近新しく起こってきた流れなの?」ということ。昔から提案営業ということがよく言われていましたが、顧客の問題解決とセールス活動を融合することはどこの会社でも行っていることだと思います。訪店頻度と質を高めよう、なんて言われるのも、顧客の懐深く入って行って、相手の問題を引き出し、そこに解決策を提案していくことが重要という認識が昔からあったことを物語っていると思います。



次に、変だな、と思うのは「リベート」と「アドバイザリー」はどちらかしか選べ無い選択肢ではないこと。 どんなにメーカーが脱リベートをめざし、アドバイザリー業務に力を入れたとしても、メーカー間競争がある限り、リベートに対する要求はなくなりはしません。



小売側の力が強くなればなるほど、「アドバイザリーもリベートも両方欲しい」なんていう要望に発展するのは目に見えています。



上の新丸ビルの例は面白い事例だとは思いますが、知的な提案がすべてを解決したスバラシイ事例だ、という受け止め方をしてしまったとしたら、それはちょっと間違いかな、と思います。