[]昔話の深層 (河合隼雄 1977)

昔話の深層

ユング心理学から見ると、グリム童話ってこういう風に見えるのか、という本です。



無意識の中にある普遍的構造を基に幾つかのグリム童話を分析しています。ユング構造主義の文脈で出てくる理由と、その分析例を解りやすい解説で読むことが出来る本だと思います。



しかし、この領域は「何で?」という問いが立てにくいですね。なぜグレートマザーなのか、なぜトリックスターなのか、なぜアニムス/アニマなのか、なーんて辺りが正直解らないんだけど、あんまり深く考えちゃダメなのかな、もしかして。概念としては面白いけど、それが人間の無意識の普遍的な構造である証拠ってどうやって提出するのだろうか、素朴に思ってしまいます。愚問なのかもしれないけど。



そういう意味で言うと、やっぱり僕はレイコフが好きだな。やっぱりこの人はすごい人です。