2009年の抱負

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観て、この絵。



モディリアーニの「ポール・ギヨームの肖像」。オランジェリーの中で一番のお気に入りの絵です。野心を抱く新進気鋭の画商が見事に描かれています。左手の皮手袋にタバコ、微妙に傾けた顔に、モディリアーニでは珍しいと思うんですが、画家を見据える座った目が書かれています。



黒いスーツに黒いハット。肩はなで肩に描かれていますが、それがまた落ち着いた脱力感を感じさせて、ギヨームの画商としての高い力量を伝えているように思います。





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2009年を始めるにあたり、今年も年間の抱負を書いておこうと思います。





まず、色々考えたのですが、大切なことに気づきました。





それは、自分にも寿命があるのだ、ということ。去年、「お尻主義」という主義をテーマのひとつに挙げました。主に仕事の話なのですが、締め切りから逆算してスケジュールを組んでいくという話です。



人間には寿命があります。だから、お尻から逆算して考えると、ちょっと違った人生観が頭に浮かんできます。





当たり前のことですが、どんなに科学技術が発達したとしても、かなり高い可能性で、自分はあと100年は生きないでしょう。日本人男子の平均寿命は79歳くらいだそうなので、まあ、もうちょっと平均寿命が未来に延びたとしても、せいぜい後50年くらいが寿命でしょうか。ま、これは無事平穏に人生をまっとうできた場合の話ですが。



つまり半世紀です。



この半世紀をどう生きますか、というのが今自分が突きつけられている究極的な問題なわけです。



そして、この半世紀をどう生きるか、を考えるに当たって、自分はまず「その半世紀で、社会・人間に何が起こるか」を予想することから始めたい。



社会における自分の付加価値は、根源的には「人には見えない未来を予想すること」にあるべきだと思うし、過去と現在を分析して将来を予想していくという作業は、自分の知的好奇心的欲求を半世紀の間満たし続けると思うのです。



その将来予測をする枠組みとして、自分は20代の初めに心理学、消費社会論を選んだわけですが、今年は、自分の知的好奇心を、この「次の50年を予測する」為の知識吸収と分析・解釈に集中させようと思います。結果として、経済学や歴史学、地理学など他のフレームワークが必要になると思いますが、貪欲に知識を吸収して行きたいと思います。



去年の抱負は「サロン的人物になる」ということでしたが、今年はサロンにおいて最も豊かに未来を議論できる人物になりたい、と思います。





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後は細かい達成目標をば。





○健康な身体と精神を維持する



このためにやらないとならないことは決まっていて、1.決まった睡眠時間を取る。(12時就寝、7時起床、の7時間睡眠) 2.決まった運動をする。(ヨガ×毎日。5キロジョギング×週2回) 3.必要な栄養素を取る。(決まったサプリの摂取) 4.休みを確実に取って仕事と仕事以外のバランスを取る



の4つを欠かさないことです。まず、ここを動かさないこと。仕事が侵食してくることが非常に多いのですが、ここを動かさない為に、効率を上げることを考えることが重要です。そして、仕事は絶対にクオリティを落とさない。







○情報収集の効率を上げる



技能的な話としては英語と速読。世の中の大半の情報は英語化されているので、ここで引っかかっているのは大変もったいない。日本人の3大悲劇のひとつだと思うのですが、自分の英語の一番の問題はボキャブラリーのなさであることはわかっているので、とにかく記憶・記憶・記憶。速読も大変重要。



インプットとアウトプットのバランスを取ることもとても大事。アウトプットにならないインプットはインプットとして認めません。



年末にも書きましたが、命題を先に作って、その命題を証明・反証するための情報を能動的に取りに行くと、情報収集の効率は驚くほど上がります。受動的な情報収集の時間と能動的な情報収集の時間のバランスを意識して取ることがとても大事です。





○お金に関する感度を上げる



精神的な抱負としては「サロン〜うんたら」で良いと思うんですが、これってやっぱり有閑階級的な精神構造だと思うんですね。



有閑階級が有閑階級たる理由は、生産活動を免除されるだけの経済力がある、ということで、やっぱりお金は重要です。



今の仕事の延長線上に、「個人事業主」というのがあると思うんですが、社会でお金を回してお金を生み出す活動が滞りなく行えるようになりたいと思います。2年前から投資活動をぱらぱらとやっていますが、今年はこれを日常の活動としてさらにリテラシーを上げて行きたいと思います。







今年も野心的に。