[]李明博自伝 (There is no such thing as myth 1995)

李ミョんパク




自分の仕事が嫌いになる瞬間というのがあります。





李明博





この人、誰だか知ってますか? 「え、だれ?」と思ったあなたは相当重症です。常識が無さ過ぎます。日々の過ごし方を考え直した方が良いです。







とかなんとか言っちゃってますが、「え、だれ?」と思ったのは私です。しかもついこの間。(はずかしー)



李明博さんは韓国の第17代大統領ですね。日本に居る人にとっては一般常識かもしれませんが、この人が大統領に就任した時はイギリスで仕事がちょうど詰まっていた時期で、ニュースも全然観ておらず、韓国の大統領が変わったのに気づいてなかった。



隣国の大統領が変わったことにも気づかない仕事に仕方ってどうなのよ、ということです。ちょっとほんと盲目的すぎたと思って、最近は仕事との付き合い方を見直しました。



で、罪滅ぼしではないんですが、自伝を買って読みました。



知っている人も多いと思いますが、この人のサラリーマン出世ストーリーはものすごいものがあります。現代グループの黎明期に現代建設に入社し、29歳で取締役、36歳で社長、47歳で会長に上り詰め、それから政界に入っています。



こんなサラリーマンいるんかいな、という位すごい出世ぶりなので、ご興味のある方は是非自伝を買って読んでください。



ただ、自伝を読んで、この過去の仕事の仕方の延長線に当たるベクトルと今、韓国が向かわなければならないベクトルが微妙にずれているような印象を持ちました。



同じ話は日本にも当てはまりますが、年間7%の経済成長、とか、4万ドルの一人当たり国民所得、世界7番目の経済大国化、とか聞くと、これって戦後の高度経済成長期に彼の世代が成し遂げてきたことの延長線そのもの、という印象を持ちます。



例えば、ヨーロッパの国々は一つ一つの国の規模では米・日に水を空けられ、中国にも抜かれましたが、EUとしては巨大な存在感を持ち、すでに米を凌いでいます。中東は2010年に通貨統合をして石油資源を背景にした巨大経済域を作ろうとしています。



韓国や日本など東アジアの国にとっては、拡大する中国がまずあって、北には資源国家のロシアがあります。この経済圏の中で自国をどう上手くポジショニングするか、が最優先課題になるんだと思います。



7%の経済成長〜、4万ドルの〜、世界7番目の〜は結果ではありますが、そのために一生懸命働こう、とか言われると、「どうやって?」という疑問がどうしても沸いてきます。



欧米キャッチアップ型の精神構造で汗水たらして頑張る、というスタンスにはどうしても時代遅れ感を感じてしまうし、ひとつの国家・民族として巨大化する、という発想にどれくらいの現実性と意味があるのか良くわからない。ま、もちろん北朝鮮との関係や中国の物流圏でのビジネス構築など、色々とアイデアはあるようですが。



汗水たらして頑張ることは、必要条件ではありますが十分条件ではなくなっているので、あまりこれを強調しすぎると胡散臭くなってしまいます。



酔っ払ってG8の記者会見に出てくる人が財務大臣だった日本もかなり先行き不安感に溢れていますが、東アジアの国々はこれから難しい舵取りを要求されそうです。