[]Guggenheim Museum(グッゲンハイム美術館:ニューヨーク)

グッゲンハイム


「芸術はお金の関数だ」とソースティン・ヴィブレンを読んでから思うところがあって、今回ニューヨークに行ったのも、現代で最もお金をかき集めたアメリカの現代美術がどうなっているのかを観たかったから。



そんなわけで、現代美術で有名なグッゲンハイム美術館に行ってみました。



グッゲンハイム




この美術館、すごいシュール。



建物自体が蜂の巣というか、何かの巣のようなセル構造になっていて、そのセルの一つ一つが展示になっています。で、それがどれもこれもシュール。



らせん状の建物を上から降りていくのですが、大量の概念的なものを観ている間に頭がパニック状態になってきました。この辺の現代美術って、その記号自体はぱっと見てわかるんだけれど、それにひもづいている何ものかがなんなのかがわからない。



なんなんだここは。



そして極めつけが地上階近くに突然出現する19世紀の絵画群。20世紀の現代美術を観ていたと思ったら、唐突に印象派の世界に投げ込まれます。セザンヌルノアールゴッホ



特にゴッホは、この間アムステルダムゴッホ美術館では何が良いのかさっぱりわからなかったけれど、ここで初めて「良いな」と思いました。多分ゴッホの晩年近くの絵だと思うんだけど、グネグネと曲がった特徴的な力強い線に救われた。



正直、こんなんで良いんだろうか、と思ってしまいました。



つまり、ゴッホが良いと感じたのは、所詮、あまりにもシュールな作品群に精神がついていけなかった状態で、「相対的に」理解可能なゴッホに救われたからではないかと思うのです。



ヴィブレンじゃないけど、刺激の差でしかないものを芸術と呼んでいるんではないか?という疑念が生まれた瞬間でした。