[]人間失格 (太宰治 1948)

人間失格




読むタイミングを間違えた。



ヨーロッパでは、そろそろ秋の気配が風の中に混じり始め、例のあの暗い冬が刻一刻と近づいています。



夏があまりにもすばらしいだけに、例の冬のきつさと言ったらこれはもう想像を絶するものがあり、そういう季節を前にして読むにはちょっときついものがありました。



自分の話、として読んでしまうんですね。



生得的に社会になじめない、生き難い、と感じているにも関わらずそれでも生きていかざるを得ない(なぜ?)と判断した人間の苦悩の話なわけですね。究極のネアカ人間を除けば、多かれ少なかれ、そういう要素は誰しも持っているので、どうしても自分の話として読んでしまう。



そして当然最後は救いなんだか、達観なんだか、なんだか良くわからない結末なので、呆然自失なわけです。



最近、「魚が死んだような目をしてるけど?」と言われるんですが、人間失格読んだのが原因かな。。。