[]豊饒の海(二) 奔馬 (三島由紀夫 1977)

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春の雪とはうって変わって、奔馬の中心人物となる飯沼勲(松枝清顕の生まれ変わり、とされる)は純粋に国士として蜂起をして切腹をする方向に進んでいきます。



純粋さゆえの美しさ、もしくは死が付きまとうゆえの美しさ、といった雰囲気が文章の最初から最後まで付きまとっています。



途中から三島自身の蜂起とオーバーラップしてしまい、それ以外の視座から作品を読むことが難しくなりました。



三島の文章はとにかく言葉選びが非常に規律正しいというか、大きな語を良く使うので、日本語の能力が落ちている私のような人間が読むと面食らってしまいます。



豊饒の海のシリーズは転生の話なのだそうで、あと二巻、どのような転生の話になるのか楽しみです。