[]ポンピドゥセンターの企画展を観て来た (その2) Soulagesは実物を観るべき

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ポンピドゥのもう一つの企画展。





RothkoとかBarnet Newmanとか、20世紀初頭から1970年くらいまでで活躍した芸術家の作品というのは、思うに当時の解釈とは異なった解釈で今の人々には受け取られているんじゃないかと思います。



ソラージュは今も制作活動をしているのですが、ロスコやニューマンの絵とは明らかに違う所があって、それが絵の具の立体感というか物質感。



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今回、ソラージュを観ていて、なぜか思い出したのがNYのグッゲンハイムの1階に飾ってあったゴッホ。 共通しているのは、絵の上の物体としての絵の具にまでさかのぼる存在感。



とにかく、圧倒的な存在感だったんです。有無を言わさず、「私はここにある」と絵が言っているように思いました。





グッゲンハイムは、らせん状に上から作品を観て行くのですが、わけのわからない現代アートが大量にあって、オノヨーコの解釈不能な詩とか、「ナーウ、ナーウ」と言い続けている映像作品とか、降りていくうちに段々わけがわからなくなってきます。





そういう状態で、1階に行くと、近代美術がちょこっとあって、そこにゴッホがあるんです。



ここで、あの力強いゴッホのタッチを観て、救われる自分が居たわけです。





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ソラージュの絵は問答無用で黒です。



ウートル・ノワール



黒を超えた黒



言葉の抽象化の先の表現





これは、現代の人にとって必要な芸術作品で、厳格さと沈黙を兼ね備えていて、現実が複雑であればあるほど、その価値が浮き出てくるものだと思います。



部屋に一枚飾りたいのだけれど、ポスターだと、どうしてもあの立体感が失われて、存在感が希薄になるので、今回は買いませんでした。