[]連載漫画は連載中に毎週読むから面白いんだろうなあ (「Monster」を一気読みした)

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20世紀少年」を読んだときと同じ感覚がありました。



作者が同じだとやはりストーリー展開が似てくるのだろうと思います。次から次へと新しい登場人物が出てきて、その人たちの隠された秘密がストーリーを引っ張っていきます。 毎週の連載で何年も続くスタイルだと、やはりこういう話の進め方の方が新鮮味があってよいのかもしれませんが、コミックになったところで一気読みをすると、この展開のさせ方がちょっと気になってしまいます。



ダブルのアイスクリームを頼んだら、後から後から追加のアイスクリームを上に乗せられてしまって、最初に頼んだダブルの部分が解けてしまうような感覚。



Monsterは出だしの話の展開がとても秀逸だと思うんですね。



「命は平等だ」という信念に従い、院長の命令に反して命を助けた子供が、実はとんでもないモンスターで次々と殺人を犯していく、という不条理。そこで一気に引き込まれます。



その後は、このモンスターが生まれた過去をさかのぼるストーリー展開となるのですが、ジグソーパズルをはめていくように真実が明らかになる、というよりは、アイスクリームを積み重ねるように、ストーリーが縦に伸びていきます。



ぶっ続けで読んでいると、前のアイスクリームの部分が溶けてきて、味が混ざってなんだか良くわからなくなって来るんですね。 「あれ、ちょっと前に読んだ部分の話と整合性あってるんだっけ?」というような確認作業が頭の中で始まってしまうので、素直にストーリーを楽しめない。



これが「連載」を当初目的に書いた作品と、「一つの完成品」として完結させて書いた作品との違いになんだろうな、とTSUTAYAのコミック一気読みを何度かしていて感じるようになりました。



きっと、毎週連載を楽しみにして読んでいくスタイルの方が、この作品は楽しめたんでは無いかと思います。