[]良い自己チェックポイントを示してもらった (「グローバル・キャリア」石倉洋子)

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アカデミーヒルズの受付の前にある本棚を通り過ぎた時に、ふと目に留まったのでぱらっと読んでみた本。



僕はキャリアについて結構長い間、「あーでもない、こーでもない」と悩んでいます。 



石倉さんは「ユニークな自分」の発見と、その強みが生かせる「場」の発見が大事と言います。確かに、自分のスキルセットと労働市場とのマッチングで職は決まっていくことが多いと思うんですが、どうもこういう考え方は僕にはしっくり来ないんですな。



自分の強みが生かせる仕事が出来たほうが、そうでないよりも幸せなのは間違いないと思いますが、それって一番重要な要素なのかと言われたら、経験的にはなんか違うように思うわけです。



経験的に考えて、僕にとってしっくり来るキャリアの選び方は、「ああ、この人と一緒に働きたい」という「人への想い」で決める選び方です。 



「この人と働いたら楽しそう」、「この人は自分に無いものを持っている」、「この人は信頼できる」、という直感が重要で、そこで何をするか、何ができるかは二の次。 ビジョナリーカンパニーの中の一節に「バスに誰を乗せるかをまず決めて、それから行き先を決める」という話がありますが、これに近いかもしれません。



人間の幸せって、他人や社会とどういう関係を持つかに最も大きく左右されると思います。そういう風に遺伝子に仕組まれているのか、社会生活を送るうちに、そういう思考形態になったのか、ほんとのところは分かりませんが、自分が「楽しい・悲しい」と思った瞬間の原因を考えると、大抵は人間関係に起因しています。



なので、やっぱりキャリアは「人」ベースで選びたい。



ですが、「この人と働きたい」と思っても、向こうがこちらを選んでくれなければ望むようなキャリアは構築できないので、「一緒に働きたいです!」と言った時に、「いいですよ、あなたなら!」と言って貰えるように自分を磨く必要はあると思っています。



「いいですよ、あなたなら!」と言って貰える人材に自分はなっているのかどうか、折に触れてチェックしないとならないのですが、この本の最後の章(245ページ)にあるような簡単なチェックリストは、その反省に有効だと思います。





単純だけに、はっとさせられる。 今回もちょっと反省させられました。





(抜粋)

・ある分野について専門家としての知識を持っていること

・世界の課題について自分自身の意見を持ち、意見の相違にかかわらず世界の課題について意見を発信、どこの国の人とも共有、議論することができること

・自分の国の歴史、文化などについてある程度の知識を持ち、意見を持っていること

・自分の人生やキャリアについて、目指す方向や求める姿のイメージを漠然とでも良いから持っていること

・世界にある多様な文化、生活習慣などについて、受け入れる寛容さを持っていること

・自分についても他人についても変化を認められること

・自分を客観的に見ることができ、いくら深刻な問題についても、ある程度の余裕を持った考え方ができること

・新しいことに積極的に取り組む気概を持ち、実践すること

・できるかどうかわからないことに対しても機会を与えられたら、まずそれをつかもうとすること

・困難や難しいことに直面しても、何とか状況を分析し、解決案を考えて、実行に移す気力・体力を持つこと

・失敗や挫折から何か教訓を得て、次の機会には二度と同じ失敗を繰り返さないように軌道修正できること