[]賃金上昇率が米国株式市場の先行指標という話(本「ウォール街流米国景気予測の方法」)

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株式市場・景気の予測をこんな単純な方法でやってしまっていいのか?というくらいシンプルな景気予測の本。



世の中にあまたある景気指数の中から、「時間あたり賃金上昇率」を使って株式・景気の予測を行っています。



景気循環は基本的に「鶏と卵」で、賃金上昇、支出増大、売上拡大、設備投資、雇用増、がぐるぐると回っていてどこがスタートポイントなのか判断できません。著者は、ここで明確に「賃金上昇」がすべての始まり、というスタンスを取っており、これを将来の景気判断の先行指標として使っています。(あと、一応金利も先行指標らしい)



企業の設備投資額、雇用者数の増減、など、新聞・ニュースで景気判断に使われる指標は数多くありますが、「それらは遅行指標なので予測の役には立たない」とさくっと切り捨ててしまっています。非常に明快なスタンス。



ちなみに、ここまで景気予測の方法を簡単にすると、経済学の学位を持っていなくても、誰でもパブリックなデータをダウンロードして景気予測ができてしまいます。 僕も試しにやってみたんですが、直近まで確かに著者が言うように市場は動いているように見えます。



米国は去年の秋に賃金上昇率が底を打って反転していて、今後の株価上昇が予測されるサインが出ています。(で、実際にここのところ株価上がってますね。。。 *投資するかどうかは、ご自身の責任でお願いしますね!)



アメリカと日本ではGDPの構造が違うので、この予測方法はそのままは使えないんですが、こういうのは面白いですね。



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