[]リメイクして再公開したらどうか?(映画「東京原発」)

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これ、去年の311前に作った映画なんですが、とてもそうは思えない、原発問題の核心を突きつけてくる映画です。



原発のリスクに関しては、色々なところで議論されていますが、「原発が危ない」と発言するのは微妙にKYな空気になりつつあるようです。



でも、「(今度こそ)原発は安全だ」と、どれだけデータを示されても、映画のストーリーにあるように、新宿公園に原発ができることはないでしょうね。



映画の中で出てくる、原発を東京中心部に作ることによるプラスの便益と、マイナスの便益(原発事故の確率×インパクト)を計算したら、もしかしたら役所広司演じる東京都知事が言うように東京中心部に作ったほうが良い、ということになるのかもしれません。



ネットベネフィットでみて東京に原発を作ることはプラスの便益がある、という計算が仮に正しかったとして、それでも東京に原発ができそうにないというところに問題の核心がありそうです。それは、



・結局、原子力には「なんだか良くわからないけど、制御不能な未確定の問題があるのではないか?」



というリスク認識で、そのため便益の計算を示されたとしても、そこにリアリティが感じられないということなんではないかと思います。



良くも悪くも、人ってすぐに問題を忘れてしまうものです。原発の問題は、どういうリスクと共に生きて生きたいか、どういう産業構造・社会構造にしていきたいのか、という結構重要な問題とリンクしていました。311で突きつけられた問題の核心部分を人々が忘れてしまう前に、社会的な合意を形成できれば、と思います。



この映画、リメイクして再公開して欲しいです。