[]歴史からパターンを学ぶ(「東大のディープな日本史」)

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東大の歴史の問題って面白いですよね。



細かい知識を問う問題は出なくて、ある事象の背景構造を説明させる問題が多い。地政学・経済状況・社会状況、など要素を繋ぎ合わせて事象を説明する力を試しているんだと思います。



大学を卒業してから歴史を学ぶ意味は、将来問題にぶつかった時に参考になる「パターン」を学習することだと思います。



例えば、日本が第二次世界大戦に突入した背景には、ワシントン体制での協調外交が守れなくなったことがあります。各国が帝国主義を取っている場合、抜け駆けして権益を拡大しようとする態度には厳しい制裁が課されます。極東における日本の権益拡大に対する列強からの厳しい態度と、権益を確保しようとする日本との争いが、大戦に繋がっていきます。



逆に言うと、帝国主義的な強者が複数いる場合、互いに競い合う状況になると、それぞれが牽制し合っておいそれとは動けない状況になるわけです。この仕組みをうまく使ったのが、幕末の不平等条約。日本が欧米列強と同等の不平等条約を複数結んだことで、どこか一カ国の抜け駆けを防ぎ、かろうじて自立のバランスを保ったと見ることもできるわけです。



同じような構造は、歴史や外交に限らず、経営戦略でも見ることができます。均衡を保ちたい場合の一つのパターンとして覚えておくとよい話だと思います。



権力構造や社会変革など、歴史の出来事からパターンを抽出して覚えておくことが、将来の課題対応力の向上に繋がるんだと思います。