[]人と組織を変える方法のひとつ(「コーチングマネジメント」)
戦略のインプリって中々難しいですよね。
特に、その戦略が、「やる/やらない」のオプション判断みたいなものではなくて、新しい仕組みを作って導入する、とかいう話だと非常にややこしい。
ただ、時折、インプリが突然スムーズに進み始める瞬間があるのを感じます。それは、現場の人たちが、自分たちの口からこれから実行する戦略を語り始めた時。
戦略を落とし込む時、
「上が決めたことなので実行してください」
とトップダウンで落とす方法もありますが、この方法が使えるのは上に相当の権威がある時でしょう。強行突破しようとすると現場の反発を受けて、なんだかんだで計画は骨抜きされて行くんだろうと思います。
と言って、アプローチを変えて、下手に出て
「色々大変だとは思いますが、新しい戦略をやっていきましょう!」
と説得するのもあまり上手く行きません。どんなにその内容が正しく見えたとしても、所詮は他人事。変化を嫌がるのが普通です。
一番上手く行くのは、コミュニケーションを図る中で、いつの間にか現場の人たちが「この戦略は自分たちで作ったものだ」と考え始め、主体性を持ってその戦略を実行していく時のように思います。
最近、自分の仕事がコンサルティングなのかコーチングなのか分からなくなることがあります。
基本的に、コンサルティングとコーチングの違いは、解を作るのは誰かということだと思います。コンサルタントは絶えず、「答えを出す」ことを求められるのに対し、コーチは「答えはクライアントの中にある」として答えを言いません。
とは言え、この境界線は実は結構曖昧になっているように思います。特に、インプリの段階に入ると、コンサルタントもコーチングに近いコミュニケーションスキルを求められるように思います。
インタビューでの質問の仕方ひとつとっても、Whyを聞くのはコンサルタントの常套手段ですが、コーチのように、whatやhowで質問を代替した方が上手く行くことがあるように思います。
インプリケースを上手く回すうえで、コーチングの領域からスキルを拝借するのも有効なのかもしれません。