[]オトナの意見(内田樹「期間限定の思想「おじさん」敵思考2)

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内田樹さんは、



・オトナになるとは

・社会で生きていくとは



という問いに一生懸命に答えを出して、それを伝えようとします。近代/現代哲学の知恵を使いながら。社会における知性あるオトナの役割っていうのはこういうことなんだと思います。



稀に納得できない主張もあるものの、僕はこの人の態度はすばらしいと思う。見習いたいと思います。



この本、はっとさせられるところがいくつもあります。



マルクスが主張し、ニーチェが激烈に批判したように、人間の思考はその時代の条件から自由にはなりえません。僕らの世代は、バブル世代のような消費欲求は無く、上昇志向も希薄と言われますが、これはある種の「歴史的補正」である、とする視点は極めて重要です。



私たちは上の世代を常に批判の目で見ますが、同時に私たちが「上の世代」になったときには、今度は下の世代から批判の目で見られることになります。その時に我々は果たしてなんと言って批判されるのか。



きっと、「あの人たちは、グローバル競争から降り勝負するのを止めただらしない人たちだよね」と言われるんだと思います。



歴史の視点から自分が感じていること・思っていることを捉え直す。そんなことができるのがオトナであり、僕はそういうオトナになりたいと強く思います。