[]短絡思考に冷や水をかける本(「ヤバい経営学」)

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これは面白い本



経営に正解は一つでは無いということを、様々な観点で繰り返し繰り返し語りかけてくる本です。



常識を覆すような話も散りばめられていて、内容も面白いのですが、この本を読んで学ぶべきは内容ではなくて著者の経営に対するスタンスだと思います。



著者はたぶん、世の中に出回っている軽薄な議論が本当に嫌いなんだと思います。



「こうすればこうなる」

「これが成功の鍵だ」



端的に明確な解を出してほしいと思うのは悪いことではありませんが、様々な角度からのチャレンジを乗り越えていない議論には絶えず軽薄さが付きまといます。



「それは確認された事実なのか?」

「何か隠れた前提があるんではないか?」

「原因と結果を取り違えていないか?」

「時間軸をずらしても同じことが言えるのか?」

「実証された話なのか?」

などなど



世の中に対しても、自分の思考に対しても、絶えずこうしたチャレンジをし続けることが知性なのだ、ということを経営を題材に教えてくれる本です。



良書