技術者のためのマネジメント入門 (2006)
大学院時代にお世話になった、コンサルタント兼大学教授の方に、去年出版した本を謹呈したのですが、その「お返しに〜」と、頂いたのがこの本。
MOT目線でマーケティングの基本について書いているので、とても新鮮でした。
ちなみに、この「基本」ですが、「基本=簡単」ではない点がとても重要です。マーケティングという概念も、時代により、論者により、それが何であるのかという定義がコロコロと変わります。
時代の流れを読むのはマーケティングの仕事ですが、マーケターがマーケティングの時代の流れに飲まれてしまうと、本質的なことがわからなくなってしまいます。
セオドア・レビットの有名な「顧客はドリルが欲しいのではなく、4分の1インチの穴が欲しいのだ」という話を振りかざして、ベネフィットベースのマーケティングの話をしていたと思ったら、五感マーケティングの話をし始め、アフターマーケティングの話をし始め、ブランドの話をし始め、ポストモダン・マーケティングの話をし始め、Web2.0時代のマーケティングの話をしはじめ、、、とやっていると、「で、結局マーケターは何をしてくれるんだっけ?」ということになりかねません。
STP(Segmentation, Targeting, Positioning)を軸足にすえ、「で、結局その技術は顧客のどういうベネフィットになるんだっけ?」を根本にマーケティング活動をドライブすることの重要性を説く姿勢は、とても「基本」的ですが、ついつい疎かにしがちです。
折に触れて、基本に立ち戻ることの重要性を再認識させられた一冊でした。
こんど、著者サインをもらいに行かないと。