[]「このストレスな社会!」橋本治(2006)

このストレスな社会

マーケティングの領域で仕事をしているので、たまーに「広告批評」を買うのですが、前買ったときに「日本のセレブの定義は、結婚式の披露宴以外に、買ったドレスを着ていく機会を持つ人たちのことである」とかなんとか言っていたのを面白いなーと思っていて、それで読んでみました。実は橋本治をちゃんと読んだのは初めて。



昔、Hotdogプレスでなんか連載をしていたイメージしかなかったのですが、この人面白いね。 なんか、久しぶりに「ああ、知性ってこういうことだったわ」ということを思い出しました。



知性のスタイルはとてもシンプルで、「なぜ?」「それが無いとどうなるのか?」「喩えると」「昔の例では」「するとどうなる?」みたいな、論理をきちんと詰めていきつつ、「オヤジとオヤジ以外」とか「働くと働かない」とか、そういう大きな構図をたまーに持ち込んで話を展開していく感じでしょうか。



話がどんどん拡散していくんだけど、ぜんぜん関係ない(と思われるような)話の共通構造を炙り出して、結局根底は一緒なんですよ、みたいに「ああでもなく、こうでもなく」切っていくスタイルがとても好きですね。



面白かった。