ロシアン・ドールズ (2005)

ロシアンドールズ

前作であるスパニッシュ・アパートメントよりも面白いんじゃないか、と思ったわけです。





前作は僕の周りでは結構評価の高い映画だったのですが、単純化してしまえば高評価の理由は「型通りの退屈な生活 → 文化的坩堝生活(=バルセロナで共同生活) → 自分が行きたい本来の道へ」というストーリー(単純〜)への共感があるんだろうと思いますね、特に若い世代にとっては。



前作を見たときは、「文化的坩堝って言ったって、結局ヨーロッパで完結してるよな。ずるいよな」と思いましたが、まあ悪くは無かった。(僕も単純なの大好き)





で、ロシアン・ドールズです。





結構リアルに5年経った今度のテーマは「ホントの愛とは?」のようで、前作で職業を選択したから、今度は結婚を考え始めた、という普通の人の人生でのイベントをなぞるテーマ選択ですな。



もし、興行的にそれなりに上手く行って、パート3を作ろうという話になれば、きっと次のテーマは「子育てと人生」か「離婚か非離婚か」になることと思います。(間違いない)





で、結局結論はなんだったんだっけか?なーんてことはまあどうでも良いです。マショーリカのように「今度こそ最後か?と空けていくんですよ、愛っていうのは」てなことを言っていましたが、作者としては、そもそも立てた(ように見せかけている)「ホントの愛とは?」というテーマ自体意味無いんじゃん?ということを言っているように見えたんですけど、僕だけ?



何せ、マルティーヌ(オドレイ・トトゥ)がグローバリゼーション反対の立場を取る活動家だったり、イザベル(セシル・ドゥ・フランス)がレズビアンだったり、ウェンディ(ケリー・ライリー)が彼氏のDVに悩んでいたり、と登場人物の背景がどれもそれ自体社会的テーマとして成立する中で、グザヴィエの「結婚、どうしよう。。。」だからね。どう考えてもバカにしてるでしょ、これ。



で、僕としては、その「自分でテーマを立てといて、そのテーマって意味無いじゃんって自分で言っちゃう」皮肉っぽさがおもろいな、と思ったようです。 ま、年齢的な問題もあるけど。





というわけで(?)最初に戻ると、前作であるスパニッシュ・アパートメントよりも面白いんじゃないか、と思ったわけです。