「社会学を学ぶ」内田隆三(2005)

社会学を学ぶ

モノやサービスを売る(交換する)という活動が消費社会での活動である以上、マーケターの端くれとしては社会学のイロハくらいは知っておく必要があって、僕としてはこの辺は内田隆三さんの言論に結構頼っています。(各分野に一人か二人、頼っている人が居る)「テレビCMを読み解く」とか、なんで絶版なんですかね。おもろい本なのに。



自分が売っている(正確には売るという行為に関わっている)商品はとても小さなものだけれど、それがどうして売れるのか、その本質を理解したいと思うし、そうした本質の理解が、次の商品を売るという行為につながっていく、と仮定した時、きっと社会学はその本質を理解する思考の土台を提供してくれるはずだと思っています。



こういう考え方をしているので、レヴィ・ストロース構造主義ルーマンのシステム理論に惹かれるし、ボードリヤールの言説から何事かを読み取りたいと思う。ま、自分には難解なので、本棚の肥しになっている本も多数あるのですがね。





さて、この本。始まりはなぜか内田隆三の生い立ち、、っていうか学生時代の回想録が混じっています。社会学概要のつもりで読もうとすると、いきなりここでずっこけて、「だから題名が社会学「入門」じゃなくて社会学を「学ぶ」なのか」と納得します。 ですが、その後は人物別の解説書になっており、社会学が問題としてきたテーマを大きく把握することが出来るようになっています。



僕自身は社会学自体に興味があるわけではなくて、それを自分の領域にどう利用できるかということに興味があるので、実はこれで結構クリアーな見通しを得ることが出来ました。 有難う、内田さん。





ということで、似たような問題意識をお持ちであれば一読をお勧めします。