蕎楽亭(神楽坂:蕎麦)
先々週の日本滞在時に、ご馳走になってしまった神楽坂の蕎麦です。
あのですね、とにかく「いき(粋)」ですよ。蕎麦屋っていうのは。
日本民族に独自の美意識として「いき(粋)」の構造に言及したのは九鬼周造ですが、蕎麦屋で昼間に酒を飲むと、彼が言わんとしたことがなんとなく腹に落ちます。
「運命によって<諦め>を得た<媚態>が<意気地>の自由に生きるのが<いき>である」と言うのですが、なぜ蕎麦屋で昼間に酒を飲むとそれが理解できるのか?
なぜなら、これがひと時の酔いだからなんですな。
ああ、美味しいな、と小粋な料理を食べながら、昼間にちょっと酔うわけですよ。ところがこの至福の時間は正味2時間程度。だから3時間後には酔いも覚め、もとの世界に戻ることが分かっているわけです。
そういうものだ、と分かっているから、端から<諦め>ている中で、それでもその短時間の心地よさを楽しむ。 ね、なんか「いき(粋)」って感じするでしょ?
日本に居る人達は、こういう感覚を楽しめるわけで、本当にうらやましい限りです。
↓これ、最後の2つを頂いた牡蠣。冷蔵庫から「取り出したばかり感」が残っていたのが残念でしたが、素晴らしい身の付きようでした。当然ポン酢で。
↓これはからすみ。あんまり認識ありませんでしたが、からすみってむちゃ美味しいのね。
というわけで、ももこさんご馳走様でした。