[]片思い (東野圭吾)

片思い


あまり最近の小説を読まないのですが、この間の「手紙」が中々良かったので、まとめて東野圭吾の作品を何冊かAmazon.co.jpで買いました。



手数料3,000円と一冊につき300円の追加手数料がかかるのですが、こっちの本屋で買うよりははるかに安いので、大体Amazonで本は買うようにしています。



ミステリーとしては、どうなんでしょう。トランスジェンダーのテーマが重過ぎて、あまりミステリー小説としては読めなかったかな。途中から、「誰が犯人でもいいや」という投げやり系の気分になってしまいました。



男と女はメビウスの輪のようなもので、どこが境界線かはわからない、というくだりはユングのアニマ・アニムスの話を思い出しました。「あの人ちょっとアニマ強め」なーんて、要素還元出来るものではないんだろうと思いますが、なんか最終的にはそんな結論にまとまってました。



結論が明確だけに、賛否両論あるんじゃないでしょうか?もっとも、アニマ・アニムスの要素の個人差を許容できる社会とは、という社会論の方に関心の焦点があるようでしたが。



社会とトランスジェンダーという枠を脇に置いて、純粋に個人の心理だけを書ききったらどういうストーリーになるんだろうな、なんてことを考えながら読んでいました。



「投げやりな〜」とは書きましたが、最後まで興味が消えることなく読みましたので、面白い本なんだと思います。