[]さまよう刃(東野圭吾)

さまよう刃


これまた難しいテーマの本になってますなあ。



私的復讐と少年法



復讐(リベンジ)を扱った作品だと、直近で思い出すのはパク・チャヌクの復讐三部作かな。あちらは、復讐が復讐に連鎖していく構造(「復讐者に憐れみを」)だったり、復讐を大きな復讐が包み込んでいる構造(「オールド・ボーイ」)だったり、他人の復讐を使って自分の復讐を果たす構造(「親切なクムジャさん」)だったり、と構造にこだわりがあります。



これらの復讐のストーリーを社会問題としてみる人は居ないと思いますが、冷静に考えると、復讐っていうのは社会問題なんですよね。当たり前だけど。



この本はネタばれはまずいと思うので、これ以上は書きませんが、中々面白かったです。



「娘をレイプされ殺された父親が、犯人の身元を告げる密告電話を受け、娘を殺した犯人を知ることになる。自ら復讐を決意するのだが、、、、」とここまで聞いて読みたくなった方は是非、文庫版を買って読んでください。