[]ロシア・ショック (大前研一2008)

ロシアショック




ロシアに対するヨーロッパの人達の見方ってとても複雑なんですよね。



複雑というか敬遠している節が見えます。



まず、ロシアに出張に行く、ということはあまり普通なことではないようです。前のドイツ人の上司は口では「ちょっとロシアは見に行かないとな」とか言っていましたが、絶対に行動に移そうとしなかったし、今のフランス人の上司も、西側の国にはちょくちょく出張しますが、ロシアは久しく行っていないようです。



ロシアの人は西側に対して普通に接してきますが、UKのオフィスに居るヨーロッパ人は、ちょっと問題があるとすぐに「だからロシアは、、」ということを言い始めます。



これは冷戦の影響なのか、それとももっと以前からの歴史的な影響なのか。ま、よくわかりませんが、日本人にとってはロシアは他の西欧の国よりも正直馴染みやすいんじゃないかと思います。



大前さんの話も基本的にはそういう内容です。アメリカの影響下に長いこと居た日本は、ロシアというのは悪の化身かなにかのように見ているところがありますが、そういう印象を持ってしまっている自分の頭の中をもう一度見直さないとダメだよ、という話です。



確かに、日本人はロシアというと「北方領土」、北朝鮮というと「拉致」というキーワードが出てきて、そこで思考がストップする傾向にあります。田中さんは、これは対米従属を続けたい外務省の陰謀だ、と言っていて、思わず噴出してしまったのですが、確かにそれ以上思考が進まないのはちょっとおかしいように思いますね。



また大前さん読んでるんですか?とよく言われるんですが、ま、面白いのでついつい買ってしまうんですよね。



日本周辺の国際情勢の本として気楽に読むことをお勧めします。